メモ帳用ブログ

色々な雑記。

月島は過去編で鶴見が最後に語った内容は本当だと信じている。それでも恩を売って忠実な手駒にするべく散々嘘をついて演出をしていたことに気付き、鶴見という人間への愛を失ってしまった。鶴見が月島についた「甘い嘘」とはいご草ちゃんが生きているということではない。これは本当だ。「甘い嘘」は、死んだ気になって勉強すれば自分の力で自分の身を死刑から救えるという点と、お前は戦友だからどうしても助けたかったという点だ。月島は愛する戦友に愛を利用するために欺かれていたことに気が付き、自分という存在を肯定できなくなった。そのために鶴見がとんでもない野望を成し遂げるという外的な成果にすがるしかなくなった。
鯉登は月島から成り行きの一部を聞かされても実感までは湧いていないようだった。自分自身は鶴見に欺かれたとは言っても、計画の一部が失敗してむしろ自己肯定感を高めることができたので、鶴見を前向きに信じようと思えたし、その自分を月島に信じてもらって2人で鶴見について行こうと思うこともできた。だが教会で鶴見劇場の餌食にされた月島が正気を失い、鶴見の都合のいい手駒と化す一部始終を目撃してしまう。鶴見が最後に語った正義に偽りはなかったことは最終的に確定するが、それは大きな問題ではない。いご草ちゃんが生きていたのが本当でも鶴見劇場の演出に気がついた月島が苦しんだのと同じだ。月島はかつて自分が欺かれて忠誠を誓わされたことを悟って苦しみ、鯉登は眼の前で再び月島が欺かれて忠誠を誓わされたことを悟って苦しんだ。鯉登は列車でも鶴見に呪縛されたままの月島を解放しようと力を尽くした。