メモ帳用ブログ

色々な雑記。

尾形は両親からの愛を感じられずに苦しんでいた。そんな尾形に初めて愛を感じさせてくれたのは兄弟という生まれだけを理由に尾形を愛してくれた異母弟の勇作だった。そのために尾形はなおさらに生まれに囚われてしまったようなところがあるのだから、皮肉な悲劇と言う他ない。

だが、尾形の求めていた子という生まれだけを理由に注がれる親の愛、それに限りなく近い愛を実感させられたのは、兄という生まれだけを理由に尾形を愛した勇作以外には、やはり存在しなかったのだろう。勇作が弟として尾形を愛してくれたから、尾形は自分は親に愛されて生まれてきたのかもしれないという希望を受け入れることができた。