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新海監督作品の中で一番設定が複雑で理解されていないのはやっぱりすずめの戸締まりだと思う。ナウシカのシューティングゲームが蟲を虐殺する内容だというのは実は都市伝説なんだけど、その都市伝説のレベルで設定が理解されていないし、描写の意味もところどころ正反対に捉えられている。それなのに理解していない人に限ってすずめの戸締まりは内容が薄いとか言う。新海監督のクセの強さみたいなものを感じるから自分も100%の全肯定はできないけど、それも中身があるからこそだ。
金をもらって文章を書きながら誤読を広める人間がいて、その誤読に影響された人間が金をもらいながら文章を書いて誤読を広める。己の不明を悟って欲しい。
誠意ある文筆家なら、流石にティーチインの内容は難易度が高いとしても、ウェブで一月も公開していた2回のスペースの内容は押さえて然るべきだし、時間の長いスペースを聞けないにしても主要メディアのインタビュー記事くらいは理解しておくものでは。文筆家の仕事とはパッチワークした他人の言葉に責任を押し付けて自分の顔は半ば隠しながら自分の主張しか入っていない文章をこしらえることなんだろうかと、この十年近く折に触れて考える。
自分だって誤読への反論のために極端な論理展開をしてしまう時があるからもっとスマートな文章が書けるようになりたいんだけど。