メモ帳用ブログ

色々な雑記。


草太の部屋や草太の祖父の病室にあった山盛りの本って、古文書とか考古学とかのいかにもな本だけじゃなくて、地学系の本もかなり混じっていた。これはあの世界が現実ベースで、ミミズなどはモンスターの類というよりもマントル対流などのエネルギーがああいう形で一部の人間には知覚できている世界観である故だろう。
草太や草太の祖父はあれらの本全てに目を通したのだろうし、祖父の本宅?にはもっと沢山の本が所蔵されているはずだ。閉じ師の修行って、実は霊能者的な山籠りとか滝行とかみたいなのよりは、座学方面の比重が大きいのかも。
ファンタジーというよりはSFや都市伝説やスピリチュアルが入ったオカルト的な世界観だ。信仰を信仰で割り切らないで、科学に目配せしているところはいかにもなオカルトなんだけど、近作ではそうした部分はあくまで背景に留めて上品なバランスで纏めている。だからいかがわしさが出ていないしとっつきやすい。ただオタクとしてはもう少し設定面に突っ込んでもらえたらというところはある。
新海監督は疑似科学的なワンダーを新しく生み出して緻密な説得力を持たせるタイプのクリエイターではないんだけど、既に広く知られている疑似科学的なワンダーの魅力を共有して再構築することに長けている。