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H2の「どっちがいいのやら」から「計算どおりかい?」まで
どっちがいいのやら
春華と野田の会話でこのあと比呂が切り札にする高速スライダーの前振り。
中学時代からの事情を知った上で悩む比呂の古女房の野田と、今のところ蚊帳の外にされ気味な比呂のカールフレンドの春華。
決勝戦まで持ちこめば比呂を打ち崩せると言う英雄に対し、準決勝で当たろうと言う明和一のメンバー、そう言ってくれて嬉しそうな英雄。スポーツマンらしくて格好良い。
落ち着いてますよォ
明らかに落ち着いていない木根。
何番でもいいぞ
明らかに落ち着いていない木根再び。
明和一がどの場面でも痺れるくらいかっこ良くて、必死で食いつこうとする聖章も格好良い。その上で明和一打線は英雄抜きでも聖章を圧倒する。
震えるくらい
前回、前々回と落ち着いていなかった木根、期待通りに甲子園で先発登板。
いきなり案の定のピンチの場面から始まって、立ち直りの見せ場をファーストシーンに持ってくるおいしい構成。実況・野田・古賀監督のコメントもあわせて、木根のいい面と悪い面の両方に触れつつも良い面だけが印象に残るつくり。
憎まれ口を叩きつつラブラブカップルの木根と美歩。
木根のボルテージが上がり切る前にきっちり活躍しておく比呂。見つめる英雄。この段階では今の試合は明日の試合の前哨戦であることを強調。
――たぶん
比呂を解説する英雄。中学からの親友として、ライバルとして、選手・国見比呂を最も理解している人間のひとり。
監督と英雄の期待を巡る会話は気が利いている。2人の信頼感が伝わる。
千川高校野球部の活躍。見つめる春華。春華にとっては全員が高校に入ってから知り合った相手。
比呂と木根の会話も皮肉の中に信頼が感じられる。
と思ったら相手校に同点に追いつかれてピンチ!で引きという憎い構成。
計算どおりかい?
とりあえずピンチを凌ぎつつ、野田と古賀監督による木根へのフォロー。ピンチを招いたキャラへのフォローのやり方って作者の実力が出る部分だと思う。
比呂と木根の会話にいちいち痺れる。
木根の回想。木根が基本的に格好つけ野郎なのを確認しつつ、やりすぎにならない程度にしんみりさせつつ。ここでセーフでなくアウトを取られても頑張る展開なのが渋くて良い。
見開きをまたいでの抜けるような青空に入道雲。木根の好投。盛り上がっているところで不穏な引き、とばっちり決まった構成。