メモ帳用ブログ

色々な雑記。

H2の「わかってる」から「失礼しました」まで

わかってる

東京で店番をする英雄の兄。話には全く絡まないけど、英雄が次男だというのは人間性を考える上で重要だと思う。

スライダー、フォークと比呂の配球を読みながら、あえて目一杯ストレートのタイミングで振って真っ向勝負を誘う英雄。比呂は3球目こそは勝負かと思わせてスローカーブを投げ、英雄はタイミングを崩されつつも打つ。それでも比呂の反射神経と柳のとっさの反応で英雄はアウトに。今日の比呂のプレイは野球選手として非難されるようなものではないものの、やはりらしくはない。

当然でしょ

比呂が悪役に回ってるというストーリーの核心を突いた発言をするひかりの叔父。本当に重要。

マウンドに立つ比呂の余力を確認しておきたい明和一の稲川監督。比呂の疲れには読んでる方もハラハラする。初ヒットから二死二塁までは追い込むがあえなく三振。ただし余力は削れたし英雄にもう一度打席が回ることが確定する。「このまま終わるわけないじゃないですか。」という英雄の表情は鬼気迫るものがある。

選ばせると自分から言い出したからには負けたら英雄は身を引くつもりだろうことを確認する野田と比呂。英雄はバカ正直なので、もし自分がひかりにふさわしくない男なら身を引いて比呂に任せるのがひかりのためだと思い込んでいる。千川が勝つつもりである以上、身を引く英雄を引き止めるかはひかりの選択次第になる。この状況で比呂が選ばれないとしたら比呂には何の言い訳のしようもない。比呂は野田の前でも悪役を演じられているつもりだろうけど、野田は間違いなく真意に気付いていてそれでも付き合っている。リードを任せると言う野田に比呂が「あまりおれを信用するなよ。」とこぼすのは、自分が英雄に勝つ決意を保ち続ける自信がないからなのか。

春華も比呂が自分に事情を何も話していないことはたぶん察している。

「グラウンドに恋愛を持ち込むなよ。」という稲川監督のセリフはまさにそのとおり。

失礼しました

ふつうの守備ではないことを見込んで柳と佐川に打たせて取るピッチングの協力を頼む比呂。イニングを意識して「あと2回だよ。」と言う柳に「あと1回…だよ。」と返すのは、比呂が意識しているのはあくまで英雄との対決だからなのか。よくわかっていない佐川と納得したらしい柳。

比呂はヒジの下がったフォームで投げた球を打たれる。キャッチしてビッグプレーを決めたのが何も頼んでいなかったサード井上だというのが皮肉が利いていて良い。無意識に見くびっていたことを反省しての「失礼しました。」も面白い。一方で柳と佐川は次のすごい打球には手も足も出ず。しかしさらに次の打者は柳と佐川の連携を中心に見事ダブルプレーに。比呂対英雄が主眼の試合だけど作中最後の試合でもあるので活躍の割り振りはなるべく気を遣っている印象。

これまでになく勝利への執念を見せる比呂。「──それも、 明和一にではなく橘英雄にだな。」と言う稲川監督。「おまえだけには……渡さない。 絶対に──」とグラウンドに向かう英雄の目が完全に据わっている。前よりは弱音を自覚するようになりつつも、これまで自分とひかりの関係はひかりの選択次第みたいなポーズを取っていた英雄。とうとうひかりと別れたくないのは自分だし比呂に負けたくないのも自分だという本心の本心を自覚する。

盛り上げるだけ盛り上げたところで、最終回(イニング)となるはずの9回を前にややギャグ調の引き。ネタバラシが済んでから見返すと、実はこの時の英雄の意気込みはバカ正直すぎて真実からズレてしまったものだったりする。