メモ帳用ブログ

色々な雑記。

H2の「きれいごとだぜ!」

3番ファースト中井清孝の「舞台を整えてくるぜ。」と4番サード橘英雄の「ああ。」が格好良い。競い合い、実力で信頼し合うチームメイト。明和一側の描写は多くないだけに、第298話「勝負してやるぞ」での2人の絡みが活かされているのはグッとくる。

前回から比呂の球威を心配している野田。だが比呂は野田の予想を越える球威で中井を抑える。比呂の球に改めて鋭い眼差しを向ける5P目の英雄と、球を受けて静かに比呂の底力を確信していく様子がクローズアップされるコマの連続で表現される6P目の野田が良い。

満を持して打席に立つ英雄。沸き立つ周囲。対照的に静かに集中しきった比呂が凛々しい。ひかりも見守る中でひかりの信じるとおりに今までで一番速い球を投げてくる。もちろんそれは英雄も信じるとおりであり、さらには比呂が最初で最後の真っ向勝負を挑んでくるとも英雄は信じているはずである。比呂が「真っ向勝負なんて言葉は…… 打者にとって都合のいい── きれいごとだぜ!」と内心毒づきながらも投げたストレートを英雄のバットが完璧に捉えたところで次回に続く!

この球を投げた瞬間の比呂の本心の本心はどんなものだったんだろう?毒づきながらも、真っ向勝負で英雄を三振に打ち取る心構えが完全にできていたんだろうか。それとも心の片隅に、「負けを認めることでスッキリしようとしてない?」とひかりの母親から言われたような、あるいは「あまりおれを信用するなよ。」と野田に言ったような陰りがあったんだろうか。ともかく、次回ファールと判定されるとはいえ、比呂は3球目を打たれてしまう。