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色々な雑記。

高皓光は取り残された子どもたちを助けるために最初に黒山村に入ってくれるのは宣教師だと考えている。それは前の投稿でも引用した

「你的想法我们明白,不用担心,我们之后会找人来照顾那些小孩,江苏这里有很多天主教堂,他们可以收留那些孩子。我们师傅跟几个高位的传教士有些交情,他们会过去帮忙的。而且我们还给传教士留下了银票。」
(君が考えていることはわかるよ。心配しないで。俺たちが後であの子たちの世話をする人を探そう。ここ江蘇省にはたくさんの教会があって、彼らは子どもたちを引き取れる。俺たちの師匠は何人かの位の高い宣教師と親しくしている。彼らが手伝いに行くはずだ。それに俺たちは宣教師に銀票を残した。)

というセリフに表れている。役人などを経由して宣教師に銀票が渡るのではなく、子どもを助けに来た宣教師が地面に置いた銀票を直に拾うことを想定した言い方だ。役所や役人には伝えても何もしてもらえないだろうと思っている。これは現実の清末の腐敗ぶりを反映したものだ。

あの世界では現実と同様、1906年に沪宁铁路(上海南京鉄道)の一部が開通し、1908年に全線竣工となる。わざわざキャプション風に2年後について言及し、この漫画の歴史が現実の歴史と一致することを強調している。日月同错の世界は、法術や屍者こそ存在するものの、概ね現実どおりの歴史をたどるようだ。作中の2020年の中国も現実の中国とよく似ている。

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《日月同错》第十回 千年世界 下-在线漫画-腾讯动漫官方网站 7/15

zh.wikipedia.org現実の沪宁铁路(上海南京鉄道)では1906年に上海-苏州(蘇州)間で運行が始まる。高皓光たちと白小小が見た街はこの区間のどこかにあるはずだ。あの街には鉄道が通っている。

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《日月同错》第十一回 千年同错 上-在线漫画-腾讯动漫官方网站  2/17

 

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《日月同错》第三回 千年之谣 上-在线漫画-腾讯动漫官方网站 10/21

 黒山村が徐州府の近くにあることは第3話で明言されている。現実でも徐州に黑山村(黒山村)が存在する。ただ、この黒山村は山村でもなんでもなく過去に凄惨な歴史があったわけでもないので、名前と位置関係を借りただけだろう。

地図上で出発地を表す赤丸から判断して、高皓光たちの住む第三法府は大別山脈付近にある。

西暦525年に第三法府を建設中であのアーチ状の岩山の近くにいた姜明子は、遠くで騒ぐ人間の声を聞きつけて見に行った。そして三眼を自害に追い込み、阿柴は手遅れだったものの、白大を助けた。

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《日月同错》第三回 千年之谣 下-在线漫画-腾讯动漫官方网站 14/21

黒山村から大別山脈付近に薬草を取りに行った白大の旅は往復で半年もかかってしまった。