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第十五回三川法说で吴山老师が説明していた本命神通と天賦神通の違いについて再確認する。
(中)
求法者跟涅槃尸的神通有着明显区别,
求法者的强大来源于灵魂,
涅槃的力量来自于肉身。
正因如此才造成了两类不同的神通。
法尸的天赋神通,
求法者的本命神通。
(直訳)
「求法者と屍者の神通には明確な違いがある。
求法者の強さは霊魂を起源とし、
屍者の力は肉体から生まれ出る。
それゆえにこそ2種類の異なる神通が作り出される。
法屍者は天賦神通,
求法者は本命神通。」


また第二十六回三川天命の冒頭のこのナレーションも再確認する必要がある。
(中)
本命转死不在
天赋今生降来
以血化血
(直訳)
本命は朽ち果てて存在しない
天賦は今生にて降り来る
血によって血を償わせる


これらの説明を読む限りだと、死ぬと霊魂が失われ、それとともに本命神通も失われる、代わりに天賦神通が不屍王の真血によって覚醒する、または与えられる、という流れのように思える。でもそれだけだと説明できない部分が出てくる。
回天血身という本命神通の機能の1つに、本命神通と引き換えに術者を復活させることがある。これを知った段星煉は「用天赋换人生再走一遭吗?」(天賦と引き換えに人生をもう一度やり直すのか?)と考えた。


以下ネタバレあり


生前の趙炎と上官宵は2人とも回天血身を習得していた。だが上官宵は訳あって回天血身が仮死状態になり発動しなくなっていた。
以下は趙炎の記憶を受け取ったある人物のモノローグ。
(中)
那年,她寿元尽了。
最后一丝火光也已不在,
可,命运弄人,神通世界的自然天象,降临。
她也回来了,
甚至连那假死的回天血身都变的生机盎然。
(直訳)
その年、彼女の寿元(寿命)が尽きた。
最後のわずかな火の光さえもはや存在しない。
だが、運命は人を弄ぶ。神通世界の自然天象(不屍王の真血)が降臨した。
彼女も帰ってきた。
その仮死状態の回天血身さえ生気がみなぎっていた。


上官宵の復活によって命运に弄ばれたのは趙炎。この時点の趙炎は生者なので「命」の字が使われている。
回天血身は本命神通を持つ者しか使えない。だからこの時点での上官宵は法屍者でありながら本命神通も持っていたことになる。また、寿元が尽きる=霊魂が失われる(本命神通が失われる)、ではない。
趙炎は法屍者となった上官宵をしばらく匿っていた。しかし姜明子に討伐される。その際、趙炎と上官宵はそれぞれ回天血身を使って逃げ延びた。
趙炎は回天血身によって生者として蘇る。だが上官宵と再会できないまま老衰死した。その後不屍王の真血が降臨して、法屍者として復活させられる。だから趙炎は最初の寿命による人生、本命神通の回天血身によって得た人生、不屍王の真血で変化した肉体によって得た天賦神通、以上の3つの人生を得た。寿元+本命→寿元→天賦。
また、法屍者となった上官宵も本命神通の回天血身によって蘇ることが出来た。寿元+本命→本命+天賦→天賦。
寿元(寿命)は天命と意味が重なる部分がある。
生者は天命の傀儡である。一方で屍者は神通世界の自然天象である不屍王の法則に縛られている。屍者は天賦の傀儡といえるかもしれない。
だとすると、天命でも天賦でもない本命こそが、人間の天に縛られない自由な生命を意味するのかもしれない。
本命は霊魂から生じるという。なら、天命・寿元(寿命)とは魂魄のうちの魄のほうかもしれない。現実にある中国民間伝承では、精神を司る陽の気を魂といい、肉体を司る陰の気を魄という。天命・寿元(寿命)が尽きる=肉体が限界を迎える=魄が尽きる?だとすると天賦神通とは魄の代用品?回天血身とは魂から生じる本命神通で新たな魄を作る術?