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色々な雑記。

とりあえず北京原人は現在の中国人の祖先ではない。
もし人類が将来宇宙に進出して、宇宙基地や宇宙船、宇宙コロニーなんかで代を重ねる人類が現れたとする。宇宙空間に合わせた淘汰が起きて、新たな種が分化したとする。宇宙進出人類が「進化の段階で上を行く我々が宇宙を支配することこそが人類全体のためだ」というイデオロギーを掲げて地球人類に対して宣戦布告しきたとする。それでもそのイデオロギーに生物学的な正当性は全くない。
もし宇宙進出人類が勝って支配者となったとしても、それは宇宙進出人類のためであって人類全体のためではない。もし地球人類が返り討ちに成功したとしても、人類全体のためでなく地球人類のためだ。講和できればようやくお互いを思いやれたといえるかもしれない。しかし人類全体のためというわけではないし、根本的にはお互いに自分たちのためかもしれない。

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かつてアフリカ、中東、アジアの各地には(広義の)ホモ・エレクトスという原人が分布していた。彼らは各地で前期旧石器時代を築いた。有名な北京原人ジャワ原人ホモ・エレクトスの亜種だ。以前はホモ・エレクトスが世界の生息地のそれぞれでネアンデルタール人などの旧人に進化し、生息地を広げた旧人同士が交雑を重ねることなどによって、新人であるホモ・サピエンスに進化したという説が存在した。一方で東アフリカに留まったホモ・エレクトス(ホモ・エルガステル)のみがホモ・サピエンスの直接の祖先となったという説もあり、現在はこちらが支持されている。ただし種を超えて僅かな交雑があった可能性は残されている。ネアンデルタール人やデニソワ人の遺伝子が現生人類に数%含まれていることは確実で、それ以外の人類の遺伝子が含まれることもあり得る。
ホモ・サピエンスは20〜30万年前に誕生した。5〜10年前(7万年前?)にアフリカを出るグループが現れ、世界中に進出する。当時はまだ原人や旧人も複数種生息していたが、彼らはすべて絶滅した。ホモ・サピエンスの進出により淘汰されたものが多いとされる。およそ200万年前に生まれ、ホモ・サピエンスの祖先となった広義のホモ・エレクトスも、5〜10万年前にアジアの生き残りがホモ・サピエンス進出の影響で絶滅した。直接的に殺されたというよりも、同じニッチを占めるものとしての生存競争で破れたためと考えられる。
一足早く新天地に進出して適応したものが滅ぼされ、いつまでも故郷に居残っていたものが進化して他を滅ぼした。もちろんホモ・サピエンスの進出は各個体が自分や家族や群れのために行ったことであり、人類全体のためや種全体のために行ったことではない。