メモ帳用ブログ

色々な雑記。

前の投稿の訂正と補足。
京本のあの4コマは、白紙の4コマ用紙にあの瞬間だけ4コマ漫画を幻視したと考えるのが正しいようだ。藤野は飛んできた白紙に誘われて京本の部屋に入り、京本がシャークキックを読んでいてくれたことを知る。そして京本の残した白紙を京本の背中として自分の仕事部屋に貼る。通り魔を撃退する部分はやはり藤野の想像だろう。
7枚の4コマ用紙が枠線や絵が入れられた上で窓に貼り付けられている中、1枚分の空きスペースがあり、その位置にセロテープが残っている。普通に考えれば気に入らない1枚を剥がし、白紙を1枚用意して置きっぱなしにしていたのだろう。その白紙が藤野のもとへ届いた。だがそれだとセロテープは綺麗に剥がしそうな気がする。藤野にあの4コマを幻視させるべく、絵の入った原稿が白紙になって飛んでいったと読んでもいいのかもしれない。省略でないのなら、非現実の京本が描いた4コマも飛んでいく過程で白紙に変化している。パラレルワールドとは違うだろうがただの空想でない含みがある。もし既に描いた原稿と一緒に白紙も並べて窓に貼るのが普通だったら申し訳ない。
①藤野が自分の家でスケッチブックの上に乗った枠線のみの4コマ用紙を見る→
②藤野が京本の家でスケッチブックの上に乗った枠線のみの4コマ用紙を見る(物理的には無関係だがメタ的に連続)→
③その4コマ用紙に京本の引きこもりネタの漫画を描く→
④その漫画がドアの下をくぐって京本に拾われる→
⑤京本の葬式の日に藤野が京本のスケッチブックの上のジャンプの中からその漫画を見つける→
⑥その漫画を千切る→
⑦「出てこないで!!」の一コマのみがドアの下をくぐって別の京本に拾われる→
⑧事件から生還した別の京本がスケッチブックの中から枠線のみの4コマ用紙を見つける(未使用の②)→
⑨別の京本が事件をネタにした漫画を描く→
⑩漫画が白紙(枠線なし)に変化してドアをくぐる→
⑪現実の藤野が白紙を拾い、事件をネタにしたマンガを幻視する(②の枠線入りの紙が破られたのと入れ違い)→
⑫藤野が京本の部屋に入り、窓に8枚の4コマが貼られているべきところに7枚しかない様子を目撃する→
⑬藤野が白紙を部屋に持ち帰って窓に貼る


「11時19分 男が外階段から棟内に侵入 休憩中の在学生と接触する 手には実習棟で拾った先端の鋭利な工具を持っていた」とある。男が侵入した棟は美術家洋画コース棟だ。このナレーション(報道文?)からすると藤野の「隣町の道場でカラテやってるんですけど ランニングしてたらなんか武器持った野郎が大学に入ってってさあ〜」という発言はやはり出来すぎだ。藤野がおそらく自分の通っていない山形美大の周辺をランニングコースにしていて、美大の棟から棟へ美術の工具を持った男が移動するのを見て不審に思ったと解釈できなくもないが、全体的に少し無理があるように感じる。あの時系列で漫画のコマだけでなく藤野もタイムリープしていたなら無理はないが、そういう設定ではないはずだ。これはあの時系列が空想であることを示すためのヒントの1つだろう。