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宮崎監督が風立ちぬの主人公・二郎に庵野監督を起用したのはコレ。

エスパー魔美の邪念がある監督と違って宮崎監督は完全に本気だが。

二郎の声は尋常のアニメじゃやらないけど、宮崎監督はわかっててそれをやっているんだろうけど、やっぱり尋常じゃない。風立ちぬはジブリフタッフが声を当てたカストルプも含めてほとんどのキャラはいい感じだけど、二郎だけ凄く滑舌が悪い。二郎はああいう男だから声に抑揚がなくても問題はないと思うけど、滑舌の悪さばかりはどうしようもない。

下手に感情移入しやすい声だと二郎が時代に翻弄された被害者に見えかねず、自分から悪魔に魂を売った男だという点がぼかされかねない。二郎の飛行機に対する能動性は二郎の責任であり罪の淵源だ。その点だけを考えると庵野監督を起用した意義はなくもないんだろう。活劇的な話でもないから自分は大きなマイナスとは感じずにすんだ。宮崎監督の大人眼鏡キャラは今までも文化人が起用されがちで、滑舌の悪さや抑揚のなさにならされてしまったというのもある。ただ総合的にプラスになったとも思えない。