メモ帳用ブログ

色々な雑記。

谷垣とインカラマッを庇おうとした鯉登に銃を向けた時の月島の狙いは、鯉登を怯えさせて退かせることだっただろう。だが鯉登に前と同じような威嚇の手段はもう通用しなかった。鯉登は怪我の手当てをされていた時に薄々は察していただろう月島の真意を確信したのかもしれない。着流しにコートを羽織っただけで丸腰という何の戦闘力もない出で立ちで月島を追跡したのは戦闘の必要がないことが自明だったからだ。
インカラマッはかつてウイルクに憧れていた。だが谷垣と添い遂げることを選ぶためにウイルクとの思い出に決着をつけた。死すべき己の運命も変えた。そんなインカラマッを救った鯉登は程なく自分も同じ道程に身を投じることになる。鯉登はかつての鶴見への信仰に一区切りをつけ、月島を自分の人生の右腕とすることを選び、死すべき月島の宿命をも捻じ曲げた。