メモ帳用ブログ

色々な雑記。

尾形は優しさを発揮する時に無意識に見返りを求め過ぎなのが良くないんだと思う。叶うはずのない期待が裏切られてキレてしまう。普通の人間もそういうところがあって当たり前だから、尾形の真の不幸は子どもの頃から間違った方向に決断力がありすぎたことなのかも。
優しくしてやった相手への期待が裏切られてキレるってのでわかりやすくまとまってるのは、16歳の鯉登を尾形たちが拉致監禁した際の一場面だ。ちなみに他の人の考察した年齢を参考にすると、この時の年齢は大まかに、尾形は20歳、月島は29歳、菊田は33歳。

実はこの時に父親から見捨てられたと感じて悄然とした鯉登の背中を撫でてやった白い帽子の男は尾形だ。尾形は鯉登を慰めながら、自分の弟とそっくりな立場だが、自分と同じように父親から愛情を注がれなかった少年に優しくしてやることで自分の中の何かが救われるのを無意識に期待していたんだと思う。だけど実は鯉登は父親から愛されていた。だから舌打ちして「Барчонок(ボンボンが)」と罵倒した。
回想が終わった場面の尾形が鯉登を射殺しなかったのは、単にすぐ近くにいる白石たちの声が聞こえてきたからだろう。銃声で居場所がバレると逃げにくくなる。ご丁寧に近づいていくセリフでなく遠ざかっていくセリフにしてあるから、鯉登に詳しい事情を説明してやろうとしていたが人が近づいてきてやめたという描写ではない。でも逃げるだけじゃ腹の虫が収まらないから、満鉄どうこう言って真実に気付かせて傷つけてやろうと思った。