メモ帳用ブログ

色々な雑記。

何回読み直しても他にタイミングがないから、鶴見は尾形がアシㇼパに射たれてから落下するまでの短い時間で、機関車本体の先頭まで行って前照灯(煙突の前のライト)の中に南部大型自動拳銃を隠してまた機関部まで戻り歩兵銃を持って後ろの様子をうかがう、ってところまでの作業を済ませている。やることが‥ やることが多い‥!!

杉元とアシㇼパが機関車を止められないか試した僅かな時間に隠すのは流石にありえない。二人組みが二人揃ってどれだけ気を取られてくれるかもわからないのに、足場の悪い場所で後ろ歩きしてよじ登って細かい作業をしてまた元の場所に戻るってのを気付かれないうちにやらなくてはいけない。まだ銃を持っている杉元と毒矢を持っているアシㇼパの前でそんな目立つマネはできない。

歩兵銃はヒグマを睨んだ時に拾っている。ヒグマを引かせた際にまた部下を襲わなかったのたまたまに過ぎない。鶴見は背を向けたヒグマを銃撃したりもしていない。この時点だとまだ鶴見はさほど部下のことを気にしていない。前照灯の中に隠した南部大型自動拳銃もこの前後に拾ったものだろうか。「この列車ですべて片を付けて五稜郭に戻るぞ なぜかって? 北海道を立ち去る前にひとつ確かめることがあるからな…」と言っている時に弾込めしているのは鶴見愛用のボーチャードピストル。ボーチャードピストルは最初に弾切れしている。

鶴見は部下の大半が杉元たちとヒグマにより戦闘不能になったの確認し、尾形と杉元たちが戦闘しているうちから前照灯の中に南部大型自動拳銃を隠すなど、敵を迎え撃つための準備を進めている。もし列車を止めてしまうと容易に反対側から回り込めるためこの仕掛けが意味をなさなくなる。だから鶴見が列車を走らせたまま敵と戦うことを想定していたのは間違いない。

鶴見が想定していた敵には2通り考えられる。1つ目は尾形が勝利し、ともに列車事故を起こして逃亡することを期待していたが、失敗して杉元たちが自分を追ってくる可能性にも備えていた場合。もう1つは尾形が勝とうが杉元たちが勝とうが自分の邪魔になるので戦って殺すつもりだった場合だ。ただし尾形を殺すには遠距離で撃ち合うよりも、味方のふりをして近づき至近距離からボーチャードピストルで撃ち殺した方がいい。この場合でも歩兵銃や南部大型自動拳銃は杉元たちと戦う可能性に備えて用意した面が強いように思う。