メモ帳用ブログ

色々な雑記。

杉元は樺太で信心深くないアシㇼパは地獄についてどう考えているのかと問いかけた。この言葉からわかるように杉元も地獄の実在を信じているわけではない。杉元は、地獄を考えた人間も自分と同じように人を殺して元の自分に戻れずに苦しんだのではないかと語った。知ってからではもう遅いのだとも。要はそれが杉元の考える地獄ということだ。そしてアシㇼパが杉元とともに地獄へ落ちる覚悟をしたというのも、宗教的な意味ではなく、手を汚して元の自分に戻れなくなっても構わないと覚悟したという意味だろう。
最終的に杉元は役目を果たすために頑張った今の自分も割りと好きになれ、元に戻れなくなった自分のことを肯定できた。アシㇼパは自分と杉元に立ちふさがった尾形を毒矢で射った。やむを得ない殺人を犯したからこそ、アイヌと和人が戦争せず、かといってアイヌが自分たちの大切なものをただ奪われることがないように戦おうと思えるようになったということだろうか。