メモ帳用ブログ

色々な雑記。

アシㇼパは杉元を愛し、自ら杉元と一緒に地獄に落ちる覚悟を固め、自らの意志で手を汚した。杉元もその覚悟を受け止めた。一緒に地獄に落ちるという内容ではあるが、ゴールデンカムイにおいては相棒にふさわしい前向きな覚悟として位置付けられている。
鶴見は部下たちを嘘で試して愛を捧げさせようとした。そうしてついて来た部下たちを自分とともに地獄へ引きずり込もうとした。月島は鯉登に愛情を持つようになった時には既に地獄に落ちていたし、鯉登も真実を知った時には既に地獄に落ちていた。鯉登はあるいは鶴見や月島を蹴落として自分だけ這い上がる道を進める可能性もあったのかもしれない。だが自分たちは利用されようとも同胞のみんなが救われるなら構わないと決意して2人と同じ道を進もうとした。部下たちの生活や地位を向上させるために今後も手を汚してでも尽力しようと考えた。鶴見に忖度して必要以上に地獄へ急降下しようとする月島は上官命令で食い止めた。相棒であるアシㇼパ・杉元とは違い、鯉登と月島の関係が上官と部下、ただし真の愛情と信頼というきずなで結び合った上官と部下になる萌芽はこの時点で既に表れている。鯉登はこの後も戦場という地獄から逃げずに月島とともに部下たちを救う道を選んだ。鶴見の掲げた目的を引き継いだといえる。しかし鯉登も月島も、鶴見がこの建前の目的を放棄してしまったことは知らない。だが鶴見が部下たちを放棄したことで、部下たちを地獄の奥底に突き進む道連れにせずにすんだ面は確かにある。鯉登や月島がこれから進む道も地獄には違いない。それでも鯉登なら地獄の中でも少しでもマシな道を諦めずに希求していけるはずだ。そして月島もそんな鯉登を支えることを誇りに思えるようになるだろう。