メモ帳用ブログ

色々な雑記。

天気の子の主人公・帆高は家出少年だった。一度家に連れ戻され、3年後再び東京に戻ってくる。帆高が陽菜を晴れ女の宿命から解放したため、東京はすっかり水没していた。須賀は世界なんて元から狂っていたと帆高を慰める。帆高もそう納得しようとしたが、晴れ女の力を失っても東京のために祈りを捧げる陽菜の姿を見て、自分と、自分の手を取ってくれた陽菜の選択を再認識する。

違う、やっぱり違う。
あの時僕は、僕たちは、確かに世界を変えたんだ。
僕は選んだんだ、あの人を。
この世界を。
ここで生きていくことを。

陽菜は晴れ女の力で東京の人々を笑顔にすることに喜びを感じていた。陽菜の共同経営者だった帆高もそうだ。
帆高は東京で生計を立て、仕事にもやりがいを感じ、東京の人々と縁を結び、ここで陽菜とともに生きていきたいと思うようになった。
しかし晴れ女の力は陽菜を徐々に人の世の存在から神の世の存在に変えていく。
帆高もかつて偶然拾った拳銃で陽菜を助けて距離を縮めたが、やがて警察に追われるようになり、とうとう陽菜から引き離される。
帆高は神によって天上に連れ去られた陽菜を追いかけ、地上に引き戻した。
帆高と陽菜は、自分たちの成し遂げたことが台無しになるとわかっていても、2人で東京で生きていくために、東京の雨を止めることを諦めた。
鉄の引き金を引いて神の下へ走り、世界から神と人の繋がりを奪った。
東京を見放せたから東京を沈められたのではなく、東京で生きてくことを選んだからこそ東京を沈めざるを得なかった、という構図が皮肉で美しい。