メモ帳用ブログ

色々な雑記。

セカイ系は定義を広げると天地無用とかさえセカイ系ということになりかねないから、定義は狭くしたほうがいいと思う。
セカイ系の代表的な3作だと、


最終兵器彼女では、ヒロインは世界大戦?で奮戦するが地球の滅亡は回避できず、地母神的な存在になったヒロインと主人公は滅びる地球から脱出する。
ほしのこえでは、ヒロインは宇宙での対エイリアン戦の選抜メンバーに指名され、地球で学園生活を送る主人公と離れ離れになるが、2人はセカイが繋がっていることを信じ、相手の返事を待つことをやめ、それぞれ先に進む。
イリヤの空UFOの夏では、ヒロインは地球を侵略するエイリアンと戦えるパイロット唯一の生き残りであり、最終決戦を前にして主人公は世界よりもヒロインのほうが大切だからヒロインに戦ってほしくないと言うが、ヒロインは主人公を守るためだけに戦うと告げ、帰らぬ人となる。
この3作の中だとイリヤの空UFOの夏が一番作品としてまともなようでいて、自分は主人公の扱いに嫌悪感を覚えざるを得ないから、全然まともな作品とは思えない。
終盤はヒロインが戦う以外の選択肢がないのが可哀想なのと同じくらい、ヒロインが自分をセカンドレイプして精神崩壊させた主人公に盲目的に縋るしかないのが可哀想で仕方がなかった。
イリヤは晶穂に惚れてりゃ良かったんだよ!
百歩譲って主人公によるセカンドレイプは諸々の事情を考慮してやむを得ないイベントだと考えるとしても、世界が主人公に対して甘すぎる。ヒロインは主人公を慕う気持ちと主人公の暴言で傷付いた気持ちのバランスが取れなくなって、主人公を慕う気持ちは変わらないまま目の前にいる「人間」を主人公と認識できなくなってしまう。ここは一度ヒロインが主人公をちゃんと拒絶して、主人公は成長イベントを起こして傷付けた分以上に償って、ヒロインから許してもらうべきところだろう。そうなっていないのは、ヒロインが精神的な幼さのあまりに何をされても主人公のことが嫌いになれないことに主人公視点の読者が気持ちよさを感じるイベントでしかないからだ。表面上はヒロインに拒絶された主人公が献身的に寄り添うことでついには取り戻せたような印象を与えるが、全くそうなってはいない。主人公の暴言はヒロイン以外にバレていないので、他の人間から叱られることさえない。
クライマックスの展開自体はいいと思う。世界よりもヒロインのほうが大切だから戦わないでと衝動的に幼稚なことを言ってしまった主人公が、ヒロインにあなただけを守るために戦うと言われて置いていかれる。この場面の主人公の愚かさは計算されたものだ。日常に戻った主人公がある種の儀式を行い夏を終わらせようとすることもこれ自体はいい。だけどヒロインを傷付けたことと向き合わないままにヒロインのことを綺麗な思い出にしてしまう結末には疑問が残る。