メモ帳用ブログ

色々な雑記。

Tumblrだとリンクと文章を1つのページに収めると書くのに手間がかかるな。でも分ければいいか。

2つ前のリンクカードの対談の話題が、理想でない現実の人間として自分自身ができることはなんなのかということだったので。

角幡唯介氏の本は高野秀行氏との対談本の『地図のない場所で眠りたい』以来読んでてどれも面白い。『地図のない場所で眠りたい』も、辺境作家特有の部分だけじゃなくて、作家寿命20年説とかのどの作家にも通じるような部分も興味深かった。曰く、作家はキャリアを重ねると洗練されるけど、ツルツルになって引っかかりがなくなって面白みがなくなってしまうのだそう。だから意図的に予定協和を崩さねばならず、それが現在の課題なのだとか。

個人的には角幡氏の本で1番楽しく読んだのは『アグルーカの行方  129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』。副題から分かる通りの探検史上の凄惨な状況での謎の提示と解説を交えつつ、過去のルートを現在あえてたどることの意義と緊張感が最後まで揺るぎなく語りきられていた。ノンフィクションなので著者(と同行者)は無事という最大のネタバレが惜しいくらいのワクワク感。対談本の後の『極夜行』は人間1人と犬1頭での旅で、自分の内面を見つめ直すことにフォーカスが置かれていて、冬の極地を舞台にしている点はアグルーカと同じでも全く違ったテイストを味わえる。こちらでも下手にネットで著者のことを調べてしまうとノンフィクションならではネタバレがあるので、この本に興味があるならすぐに読んだほうがいいかも。途中相当ハラハラする場面はあるけどちゃんと後味良く終わるので大丈夫。