メモ帳用ブログ

色々な雑記。

昨日うぇぶりで更新分の絶好調の回はかなり好きな回。

日常の静寂から試合の躍動や歓声へ、またはその逆っていうのはあだち漫画で頻出の演出だけど、この回は特にそれがはまっている。前回が息を呑んだまま終わったのと併せてものすごい開放感。

勝利に沸き立つ会場ですぐにひかりを見つける比呂、比呂と目が合い感極まって涙ぐむひかり、幼なじみ2人が魂のレベルで通じ合っているのをテレビ越しに察する英雄と、エスパーまがいに言葉のいらない意思疎通が起きているのをどこまでもシリアスな場面として成立させる演出力。ちなみに今まで出た例だと比呂と英雄、比呂とひかりの組み合わせがエスパーできる。最終話1話前でも比呂が英雄にエスパーしようとした「その融通の利かねぇバカ正直さに―― 雨宮ひかりはホレたんだ。」というメッセージが、英雄には届かずひかりには届いて、最終話でひかりの口から英雄に伝えられるというなんか凄い展開がある。こういうふうに書くとトンデモみたいだけど、ちゃんと段階踏んでるのと、演出の熱で押し切ってるのとで、自分はすごく感動した。ニュータイプ大活躍の機動戦士ガンダムがロボットアニメなのと同じくらい、H2は野球漫画です。

明和一のみんなの前では比呂とひかりの仲を冷静に語れるけど、ひとりになってすぐに水をかぶって気持ちを切り替えようとして、それでも若干複雑な顔をする英雄がいい。

娘の彼氏より生まれた時から知ってる娘の幼なじみと素直に口を滑らせてしまうひかりの父親と、同じように思っているだろうけどちゃんとたしなめるひかりの母親。人ってなんでだれも聞いてないから答えなくてもいいことをつい答えてしまうものなんだろうね。お盆で叩いた時の描き文字がオボン。

ゆったりした夫婦の会話から一転して絶好調の英雄のバッティング、さらに一転して静かな恋人同士の会話と、小気味いいシーンの切り替わり。長く引っ張られていた英雄の目の異常についての回答がやっと出る。でもずっと目の異常を1人で抱え込んでいた英雄にひかりは「強すぎるよ、ヒデちゃんは。」と言ってしまう。間違ってはいないんだけど、この場で英雄が欲しかった言葉ではないはずで、若干追い込んでしまった感じだ。「わたしがどんなに心配したか知らないでしょ。」というひかりに、抑えめながらも珍しく逆ギレ気味に不安を吐露した英雄が色々な意味で辛い。でも本当の大人になる前にこそ積んでおくべき経験だと思う。英雄は後に甲子園で通じ合っていた比呂とひかりに対して感じた思いを嫉妬だと自覚できた。大好きな親友でライバルだからこそ負けたくない、嫉妬を感じてしまう自分を認めたくないという気持ちは、比呂と英雄の双方にある。