可愛い非人間
『風の谷のナウシカ』と『寄生獣』はどちらも環境問題を扱った作品で、人気がある。両方に共通する素晴らしいところは王蟲とミギーというそれぞれの作品を代表する可愛い非人間が存在するところだ。それがあるから最終盤のナウシカの「王蟲の体液と(略)」という独白が活きるし、ミギーがシンイチに残した最後のメッセージが心に響く。
『寄生獣』は、人間と非人間の間で揺れる主人公が、自分の人間としての部分に一旦は嫌悪感を覚えるものの、非人間である仲間に人間という存在を肯定されて着地点を見つけるというオーソドックスなストーリーだ。非人間でありかけがえのない相棒でもあるミギーのキャラがとても良く、この方向での完成度では右に出る作品はないんじゃないかと思う。