メモ帳用ブログ

色々な雑記。

三眼が二度目の自害の時に何を考えていたのか
が自分なりに整理できた。
まずそこに至るまでの流れの整理。白大の村人に対する復讐とは、村人を救おうとして自分が出した成果をなかったことにしたいというものだった。白大は村のために家を留守にしたのに、不安で狂気に陥った村人は白大の家族を殺害してしまった。
以下細かくおさらい。三眼は白大を傀儡に追跡させて姜明子と遭遇し、一度自害に追い込まれている。日本語版だと少しわかりにくいけど、これで屍疫の進行は止まった。それでも白大は姜明子に「等等!求您救救黑山村,那帮染病村民还未恢复往日啊!」(待ってください!黒山村を救ってください、病にかかった村民はまだ元に回復していません!)と頼んだ。そして仙丹をもらった。しかし旅は思いがけず往復で半年もかかった。白大が帰宅する少し前、狂気に走った村人が白大の家族を殺し、薬になると思い込んで食ってしまっていた。白大は村人に復讐しようとするが返り討ちに合う。半死半生の白大は半死半生の三眼を発見し、仙丹を与えて助け、引き換えに復讐を代行してくれるように頼む。その内容は、以前に三眼がやっていたことを続けてほしい、つまり屍疫の再開をしてほしいというものだった。
千年以上を経て完全に回復した三眼は再び人間を食い始めた。周囲の3つの村は、生贄を差し出すことで殺される人間をコントロールしようとした。生贄には白家の人間も含まれていたが、三眼は気づかずに食ってしまう。高皓光と村長の口論を盗み聞きして三眼はそのことを知り、白家に借りを作ってしまったことに気付く。三眼は借りは必ず返すというモットーを守るため、白家が村人に復讐する後押しをした。白小小を傀儡にして借元真目を貸し、二度目の自害をすることで白小小がそのまま借元真目を操作できるようにした。三眼は白家の人間を食べてしまった償いとして、自分が白大から与えられたものをすべてゼロに戻すことを選んだ。これは、白大が家族を食べた村人に対する復讐として、自分が村人のために出した成果をすべてゼロに戻すことを選んだのと対になっている。白小小に自害を命じられた時に三眼は何やら感じるところがあったようだった。三眼は穏やかに長生きすることを望んでいた。自分で選んだ道とはいえ、せっかく復活したのにそれをゼロに戻すことには複雑な思いがあった。しかしほぼ休眠していたとはいえ三眼の過ごした千年以上までが無になった訳ではない。三眼は動けるようになってすぐに苗木を植えており、その苗木は大きく成長していた。三眼は自分の千年間に価値があったことを確認したからこそ、やはり負けたと思いながら死んでいった。
三眼の思いから話はそれるけど、長く続くこと自体にも価値があるという視点は黒山村の村人や白家にも当てはまらなくもない。南北朝の村人と白家はお互いを全滅させたりはしなかった。そのせいで長年の禍根も残すことになりはしたけれど、清末までは村人はもちろん白家もそれなりにまともに暮らしていたようだ。白小小の父親は薬草採りのために山の外に出ていて海や街のことも知っていた。それでも村に戻っていた。因縁の結末は悲惨なものだったが、千年分の無数の人生までがなくなった訳ではない。