メモ帳用ブログ

色々な雑記。

自分にはブラッドソーセージやベジマイトの美味しさはわからない。でも好きな味や故郷の味を食べると気分が明るくなるのはわかる。好きな種類の食べ物でも美味しい物と不味い物があるのもわかる。
自分は食べ物の好き嫌いが多いほうだから、料理漫画に出てくる料理も自分は美味しく食べられないと感じる物も多い。でもそれを食べて美味しく感じる人がいると理解できるから料理漫画は面白い。料理漫画以外でも、いわゆるマンガ肉は現実的に考えたらそう美味しいものでもないはずだけど、作中のキャラが美味そうにかぶりついていると美味しそうに思えてくる。
料理漫画には競争や評価を重視する系統と、人情や共感を重視する系統がある。後者の典型が孤独のグルメや、クッキングパパ深夜食堂などで、美味しんぼは基本的には前者だ。評価を重視する系統ではどうしても評価の正当性を裏付けるために薀蓄や審査員の経歴が重要になる。プロの料理人や有名な美食家を唸らせられて初めて主人公の実力の格が示せる。審査の1つとして一般客の人気投票が取り入れられることはあっても、それだけですべてが終わる漫画はそうないはずだ。この評価形式でも知識のある主人公なり審査員なり対戦相手なり客なりが解説を行う。人気だから人気です、はある意味現実的だがストーリーにならない。
よく安いものは自分で試せばいいんだから批評の必要はないという。本当にその通りだ。ただ、今の世の中は安い製品が大量に出回ってて、反面みんなが時間に追われている。タイム・イズ・マネーという言葉があるように時間も金と同じく貴重なリソースだ。よほどのマニアでもなければすべてのものを試す時間はない。そうなると安いものにも評価の需要が生まれてくる。
評価はリソースの割り振りの目安となる客観的な基準だ。体験した者同士が共感し合うことを目的とするタイプの感想や、同士を増やすことが目的のいわゆる布教活動とは性質が違う。