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2018年の記事。

今年4月5日に亡くなった高畑勲監督(享年82歳)を偲ぶ「高畑勲 お別れの会」が5月15日(火)、東京・三鷹の森ジブリ美術館で行われ、高畑監督の息子である高畑耕介氏が“父”の素顔と思い出を語った。


(中略)



最後に耕介氏は「純粋な好奇心と、日ごろの勉強から得た発見や着想を、実験的なやりかたを交えて、各分野の才能豊かな仲間たちと表現し続けることができた。父は本当に幸せな人間だったと思います」と語り、「父が望むものは、人間が人それぞれの個性と、育てられた社会的、文化的背景をお互いに理解し、尊重する。そして、それらは活かし、助け合い、譲り合って、小さいものや弱いものも安心して、暮らしていける世の中だと思います」と締めくくった。


高畑勲監督も宮崎駿監督も、原始共産制のような小国寡民の共同体を良しとし、大国の全体主義や現代文明の設計主義的合理性には否定的だ。高畑勲監督は『太陽の王子 ホルスの冒険』に、宮崎駿監督は『風の谷のナウシカ』にそれが色濃く表れている。

小国寡民の解説 - 三省堂 新明解四字熟語辞典
しょうこく-かみん【小国寡民
国土が小さくて、人口が少ないこと。老子が理想とした国家の姿。▽「寡」は少ない意。
出典『老子ろうし』八〇章

原作ものだが、高畑監督は『火垂るの墓』でも大国を目指し全体主義化した日本という共同体からドロップアウトした兄妹の幸せと、それ故の悲劇を描いている。