メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ボノボチンパンジーと非常に近縁な種だ。かつてはチンパンジーと混同されていたり、亜種に分類されそうになったこともある。
チンパンジーボノボの違いは、主にボノボに際立った自己家畜化の特徴が見られる点にある。資源やメスを巡ってオスが激しく争うチンパンジーとは異なり、ボノボは別の集団とさえ暴力的な衝突を起こすことが少ない。集団間や集団内部での緊張は性的なコミュニケーションによって解消される。ボノボは老若男女、同性間・異性間で性的なコミュニケーションを頻繁に行う。また、明確にオスが優位なチンパンジーとは異なり、むしろメスの連合が集団のリーダーシップを取る。
ボノボではメスに暴力的に接したオスはメスの連合によって撃退される場合が多く、オスがメスを巡って争うことも少ない。また、メスがオスを巡って争うこともない。オスが子育てを手伝うヒトとは違い、ボノボのオスは交尾後に特定のメスを保護したりはしないので、奪い合いの必要な資源にはなりえない。ミーアキャットなどとは異なり、順位の高いメスが下位のメスの子育てを妨害することもない。
一方、ボノボにおいても繁殖可能なメスはやはり貴重な資源である。ボノボの妊娠期間は約9か月、授乳期間は3〜5年、出産間隔は4〜6年ある。妊娠中や子育て中のメスも交尾を行い、出産1年後には排卵の伴わない発情も起きる。だが子育て終了までは排卵せず妊娠しない。
ボノボはオス同士がメスを暴力的に奪い合わないのと引き換えに、母親による息子への支援が繁殖の成功率に大きく影響を与える。集団内で母親が高い地位にいるオスは、母親の地位が低いオスや母親が不在のメスよりも高い繁殖成功を収める。母親のいるオスといないオスの繁殖成功率の差は3倍にもなる。この傾向はチンパンジーには見られない。ボノボはオス同士の順位争いに母親が加担することや、息子の交尾を妨害しようとする他のオスを母親が撃退することが知られている。