メモ帳用ブログ

色々な雑記。

金塊を手に入れてもめでたしめでたしのハッピーエンドにはならないというアシㇼパの認識は正しい。むしろそこが夢を叶えるためのスタート地点だろう。でも土地の権利書を手に入れたところでそれは変わらないような。権利書には土地の所有者はアイヌとだけ書かれていて、しかもそれは国際条約だという。だったら権利書そのものを誰が持っていたとしても条約の効力に特に影響は出ないのでは。指定された土地を巡って各勢力がアイヌの各部族を傀儡としていき、アイヌ同士の血で血を洗う代理戦争が起きるだけでは。まあここは変に現実的に考えてはいけない部分だ。
というか、土地を買った昔のアイヌはそこをアイヌ自治区みたいにしたかったんだろうし、ウイルクだっておそらくはそう考えていたはずだ。ウイルクは仮にも自治区を持っているアメリカ先住民の現状さえ白人に支配されていると見なしているんだから、自身はそれ以上を目指していただろう。だけど土地の権利書を受け取ったアシㇼパは、そこの自然やその自然に宿るカムイを守れることは喜んでいても、そこでアイヌアイヌらしい生活を送れて文化を守れるとは全く考えていない。国定公園・国立公園のオチに繋げるためとはいえ、無理のある心情だと思う。でももしここでアシㇼパがアイヌ自治区の設立を求める気になっていたりしたら本当に政治的に難しい問題に踏み込むことになって、エンタメの枠をはみ出てしまう。