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色々な雑記。

草太の祖父が



隻腕なのは閉じ師の仕事の最中に失ったからと考えていいはずだ。入院している理由は怪我でなく病気や老いによる長患いのせいのようなので、腕を失ったのはずっと以前だろう。草太のセリフからすると長期間入院しているようだ。こちらは考え過ぎの可能性もあるが、草太に両親がいないのも同じく仕事中の戦闘によるものなのかもしれない。もし単に草太の親が家業を継がなかっただけなら草太は祖父のことを「育ての親」とは言わないだろう。少なくとも草太の祖父の片腕を奪ったほどの強力なミミズとなると、もしかしたらそのミミズは……という想像もできる。
草太の祖父は草太が要石になったことを伝えた鈴芽にそれは誉れだから只人であるあなたはもう関わるなと言った。全く心にもない言葉ではなかっただろうが、孫まで失った悲しみを自分で自分に納得させるための言葉だっただろうし、巻き込まれた鈴芽がこれ以上深入りしたり責任を感じたりしないための言葉でもあった。だが死者の場所である常世が怖くないのかと問われ、鈴芽はそれよりも草太のいない世界のほうが怖いと断言した。それほど草太を思ってくれ、関わってこようとしてくれた。理屈で納得させようとする自分に感情論でぶつかってこられて、かえって清々しくなったのだろう。草太の祖父は大笑した後で、常世に入る方法を教えてくれた。草太の祖父はサダイジンに神としての敬意を払っていた(ノベライズ未収録シーン)から、最終的に神は人間をまだ見捨てないはずだと信じていたはずだし。
草太の祖父と会話した際の鈴芽は、まだその後の具体的なことは何も考えず、ただ草太ともう一度会いたいと願っていただけだろう。しかし東北へ向かう道中で鈴芽はダイジンに「要石って――」「閉じ師じゃなくても、誰にでもなれるの……?」と問いかけている。その頃までには草太を生還させて他の人々も犠牲にしないためには、自分が要石になるしかないと考えを固めつつあったようだ。そして常世ではまさにその通りにしようとする。だが鈴芽を好きなダイジンが要石に戻り2人を助けた。