メモ帳用ブログ

色々な雑記。

2つの世界の邂逅という意味では、母親と娘の関係である


椿芽・環、鈴芽、ダイジン(ダイジンはどちらかというと男性っぽいが、自然の神々が猫の姿に顕現したものなので両性的な存在ということで)の軸が作中ではメインになる一方で、サダイジン、草太の祖父、草太という父親と息子の関係もさり気なく作品に厚みを増している。アニミズムの神は往々にして多義的な存在だが、サダイジンが人間の親としての神の側面を強く表し、ダイジンが永遠の幼子としての神の側面を強く表している。
クライマックスでは鈴芽がダイジンの要石を手に持ち、草太がサダイジンの要石を持って、ミミズを鎮める。
ところで、草太の祖父が片腕を失ったのは鈴芽の椅子の脚が一本かけたのと同じ時期で、その際草太の祖父はミミズと戦っていたと監督はティーチインで語ったそうだ。自分は草太の両親が亡くなったのもその際だろうと思っていたけど、もしそれ以前だとすると人手が足りずに、例えば東北の後ろ戸を閉じ師のひとりが抑えつつもう一人が東京の要石を抜いて急行するような作戦を取れず、対処しきれなかったのかもしれない。この時は2つの要石の両方がミミズに刺さっていたはずだが、年月の経過そのものやそれによる地脈の変化などにより、ただ刺しているだけでは防ぎきれない大震災も増えてくるのだろう。