メモ帳用ブログ

色々な雑記。

年末年始は孤独のグルメがたくさん放送される。
孤独のグルメを見ていると、美学のある人間は日常の一挙手一投足にまでそれが表れるというのを思い出す。このドラマや原作漫画の主題は日常的なグルメというよりもそれを食べることで浮かび上がってくる主人公・井之頭五郎のダンディズムだ。五郎の独白の内容には相当原作者やドラマスタッフの実感が参考にされているだろうが、決して単純な引き写しにはなっていない。まず原作者は酒呑みであるのに対し、五郎は下戸で度々苦労している。こうした点で作者は五郎を自分のただの代弁者にせず客観的に描いており、同作者の他のグルメ漫画の主人公とは異なる独特のキャラ立ちを生んでいる。原作漫画の品があり客観的な作画も五郎に渋みのある佇まいを与えている。そしてこのキャラ立ちこそが、ドラマ化でメジャーになる以前からネットではカルト的な人気があった理由なのだろう。
ドラマも外見的な特徴こそ大きく異なるものの、佇まいがまさに五郎である松重豊氏が五郎を好演している。