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色々な雑記。

草太が鈴芽に芹澤のことを


「知り合い」って教えたのは、普通に、特別に感じている女の子を自分の部屋に呼んだのに世話焼きで自分を心配してばかりいる友達が訪ねて来たからとっさに自分との接点を薄めに言ってしまった、ってことでいいんだと思う。この特別ってのは単なる恋愛感情とかそういうのより(それどころじゃないし)、自分より年下の女の子でほぼ只人で普通に生活していたのにも拘わらず自分より勇敢な戦友に対する憧れが含まれている感じ? 若い男なら鈴芽みたいな女の子には自分を少しでも立派に思ってほしいものだ。自立心が旺盛な時分に自分より上だとも下だとも思っていない相手から心配されるとくすぐったくなるし、それを見られるのはなおさらに気恥ずかしいだろう。おまけに芹澤は外見がモロに不良だ。まだまだ未熟な草太の対人関係処理能力だとああいう対応になるかな。
草太は当然芹澤と鈴芽の会話を聞いていたはずでもあるんだけど、どう感じていたのかはよくわからない。小説版に至っては、鈴芽一人称視点固定でセリフを処理する問題もあって、ラストで芹澤の2万円発言を聞いていないような反応を草太がしているし。小説版を考慮に入れなければ、草太は特に裏を読むこともなく芹澤からもとうとう愛想を尽かされたかと思っていそうかな。ショックというよりは、来るべき時がとうとう来たなら素直に受け入れようという感じ。たぶんこれまでと同じように。草太は閉じ師としての宿命で教員採用二次試験を受けられなくなろうと、友人から見放されようと、それを飲み込む道を選んだ。だからといって、鈴芽に「閉じ師も教師も両方やる」と言ったように人の世で生きることを諦めているわけでもない。
一方の芹澤は草太の部屋で「あいつは自分の扱いが雑」と言った時、かつて自分が言われた言葉を逆に言っていることを意識していたのかどうか。個人的には意識せずについ口から溢れた後、芹澤本の通りに回想をしていく中でそのことに思い至った感じかな、と。