メモ帳用ブログ

色々な雑記。

インタビューとかも参考にすると、すずめの戸締まりでは現実とそっくりだけどわずかに違うファンタジー異世界を緻密に描き込むことで現実世界を浮き彫りにしたいというよりは、描こうとしているのはあくまで現実世界そのもので、閉じ師とかの設定は現実の特定のエッセンスを象徴する存在と考えたほうがいいんだと思う。インフラ関係者とか消防隊とか医療従事者とか地震学者とか神職とか伝統知の継承者とかそういった諸々のもの。
あくまで象徴だから描き込みすぎない。現実から独立できる設定の強度があると、そういう具体物になって、象徴になりきれなくなってしまう。
似たような狙いのある存在としては、寄生獣のパラサイトとか、ウテナの薔薇の花嫁やプラネタリウムとか、輪るピングドラムピングドラムやこどもブロイラーとか。村上春樹作品だと何もかもそんな感じ。
草太は作中の具体的な人物であると同時に象徴の世界を背負ってもいるから難しい存在だ。興味は湧くけど草太を描き込みすぎてもやっぱり閉じ師が象徴にならなくなる。
オタクってのは象徴で済ませておくべき部分に具体的な設定を求めすぎて作品のバランスを崩しかねない傾向があるかも。アメコミヒーローものとかロボットものくらい共通認識が出来上がっている作品なら、そういう「リアル系」をやっても倒壊せずに形を保てるかな。