メモ帳用ブログ

色々な雑記。

芹澤は鈴芽のことを置いていこうと思いついたこともなかっただろうけど、もし思いついたとしても実行できなかったはずだ。


芹澤は草太には何かがあって自分に話せない事情があることを知っていた。そして草太が音信不通になり探している時に現れた女の子が草太の事情も居場所も知っていることを察した。
草太にあるものが自分になく、鈴芽にはある。
芹澤はちょっと複雑になりもしただろうけど、草太が一人ではなくて助けてくれる人がいると知って嬉しくなった部分もあっただろう。芹澤は大学生としての草太の友達で、一緒に教師を目指した。だけど何か事情があることを知っていてそばにいたのに、ただそばにいるだけで何もしてやれなかった。芹澤は草太を手助けすることはできないし、相談に乗らせてもらえることもなかった。草太が自分以外の誰かになら助けてもらえるのかどうかもわからなかった。
一方で鈴芽が芹澤を置いていったのはまあ仕方がない。芹澤はどうせ常世に行けないことも運転以外何も協力できないことも鈴芽は知っていたから。車が壊れたからってウダウダとただ見物しているような女の子だったら常世から草太を連れ戻そうとか考えないし、連れ戻せるだけの気合もない。
友達の友達みたいなもんだからと言って、ほぼ初対面のチャラ男一人と女二人なら気を許しにくいのも当然ではある。初対面の芹澤は草太が試験に来なかったり、家に行ったら女の子がいたり、どうやら無事らしいけど自分に連絡もなかったりでちょっと怒っていたし。
芹澤は鈴芽と環に道中散々な目に遭わされた挙げ句、車が壊れて2人に置いていかれた後、小説版によれば「いっそ爽快」な気分になって笑った。男として一皮むけたということだろうし、鈴芽がそこまで草太のことを思ってくれていると知って嬉しくなりもした。「いいなあ、草太のやつ!」と言う言葉が自然に出てきた。鈴芽に任せておけば草太のことは何とかなるのだと信じられた。
芹澤は織笠駅で環と会話する際にタバコに火を付けていない。これは新海監督のティーチインによれば、この事件を期に芹澤が少し成長し、禁煙することにしたためだという。