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さらざんまいのテーマのひとつはずばり欲望。

日常的に女装している男を自分の王子様とみなしているような燕太の欲望は屈折しているにも程がある。しかも性的な欲求込み。どう捉えたらいいものか迷ってたんだけど、ぷれざんまいのラジオを聞いて、燕太は男役・女役の希望以前にマゾっ気があるんだろうというところにとりあえず落ち着いた。

RADIO|幾原邦彦監督新作アニメ『さらざんまい』2019年放送

TVアニメ「さらざんまい」4月11日よりフジテレビ“ノイタミナ”にて毎週木曜24:55~放送開始 アニマックスほか各局でも放送。手放すな、欲望は君の命だ。


たとえばもしぷれざんまいでいうように一稀が女の子でも帰国子女で周囲から浮いている時に声をかけてくれたなら惚れてただろうし、自分の邪推する限りではきっと高貴な女騎士に助けられる弱っちいオレ妄想に浸ることになってたんじゃないかと。幾原監督世界の人間って基本ゆるバイだから、異性に惚れてた人間が同性に惚れたり、その逆があったりしてもそれ自体は問題の主軸じゃない。

さらざんまいでは、メインキャラは全員自分の欲望のためにまともでないことをしていて、それを端的に示すためにお約束破りをしている。

一稀は弟のために、自分を偽って女装しているだけでなく、猫泥棒に手を染めている。動物、特に飼い猫の扱いはオタクコンテンツでは鬼門。

久慈悠は兄と暮らすために金がいるらしく多くの犯罪を犯し、「新鮮な野菜」の栽培や売買にまで手を染めている。ヤクザもの・マフィアものでは窃盗や暴行、場合によっては殺人さえアリでも、ヤクに手を出すのはご法度というのがお約束。

燕太は友人である一稀に内心惚れていて、一稀がサッカーから離れて疎遠になりつつある今は関係を保ちたいと言うのが一番の望み。でも思春期を迎えた男子である以上むき出しの欲望はあるし、既に陰である程度実行に移してしまっている。健気で清らかな幼馴染ポジションに収めるのなら、恋心はむしろあって然るべきだけど、欲望の存在は大問題。ただやったことはやばくても、思春期の男子にとって恋と欲望は不可分。

幾原監督作品ではゆるバイが基本な分、同性ならではの清らかなファンタジーも控えめ。少女革命ウテナウテナとアンシーの関係も自分はTV版くらいの添い寝的な関係のほうが好みだけど、劇場版の好きあってる2人ならベッドイン的な紛れもなく伴侶な関係から生まれる幸福もそれはそれで。