メモ帳用ブログ

色々な雑記。

本当に今更ですけど萩尾望都先生の2019年度文化功労者選出おめでとうございます。

萩尾望都先生の作品だと『イグアナの娘』が一番好きです。

萩尾望都先生のファンは漫画業界の内外を問わずたくさんいるけど、少し意外なところだと週刊少年ジャンプの名物編集者の鳥嶋和彦さんは萩尾望都先生の『ポーの一族』が好きだそう。

- そんな本好きの漫画嫌いが、凄腕の漫画編集者になるきっかけは何だったのですか。

鳥嶋:集英社の近くにあった別の出版社の資料室に入り浸っていろいろなものを読んでいるうちに、ふと少女漫画をめくってみました。そして竹宮惠子風と木の詩』、萩尾望都ポーの一族』などに、ジャンプの漫画にはない面白さを感じました。また当時の『週刊少女コミック』に連載されていた、『タッチ』を描く前のあだち充の『泣き虫甲子園』もなかなかいい。つまり、漫画という表現には多様性があり、僕にも面白いと思うものがあるとわかったのです。 

『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』の鳥山明氏を発掘し、育てた凄腕の編集者:[慶應義塾]

鳥嶋和彦さんは鳥山明先生や桂正和先生の担当だったことで知られているとおりに、それまで男臭さや泥臭さを全面に出していたジャンプへ柔らかさのある作風や女の子の可愛さをジャンプに合うかたちで取り入れた編集者だ。だからジャンプの漫画より少女漫画のほうが面白く感じていたという話にはなるほどと納得した。竹宮惠子先生の『風と木の詩』も萩尾望都先生の『ポーの一族』も少年愛ものではあるけど、当時はジャンルの細分化が進んでなかったので男性でも耽美文学の延長として読んでいた人は多かったらしい。それに絵柄も可愛かったので今でいう男の娘もの的な楽しみ方をしていた人もいたとか。こうした楽しみ方がマニアから広まった影響なのか、80年代には少年誌でも『ストップ!! ひばりくん!』のような美少女にしか見えない女装少年のギャグ漫画や『らんま1/2』のような女体化を扱うラブコメがヒットを飛ばしている(ただし高橋先生の場合は、永井豪先生の『あばしり一家』の悪馬尻菊の助のような男まさりな少女→『うる星やつら』の藤波竜之介のような男装少女→『らんま1/2』の早乙女乱馬という女体化する少年となるので影響を受けたルートは別。高橋留美子先生は永井豪先生のファン)。女装や女体化などの性別を越える面白さは今のラブコメでも定番の要素だ。