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心理のリアリティ

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古畑シリーズは、犯人の視点から描く「倒叙もの」。

 【倒叙ものの良さは、ミステリーでもあり、犯人の心理を描く人間ドラマでもあること。だから推理作家ではない僕にもなんとか書けたのだと思う】

 でも、こんな悩みもあったそうです。

 【日本のドラマで殺人を描く時の辛(つら)さは、殺しのバリエーションが少ないこと。ピストルはリアリティーがないし、スポンサーの関係上、車で轢(ひ)き殺すのはNG、同じ理由で毒殺も歓迎されない。密室殺人とかアリバイ工作といった、ミステリーならではの完全犯罪も描きにくい。古畑の犯人は大抵が頭が良くて社会的地位が高い。そういう人は普通、そこまで時間を掛けて誰かを殺したりはしない。リアルなドラマの世界では、凝れば凝るほど嘘(うそ)臭くなってしまう。そんなわけで、全エピソード中、半分は激情の上での撲殺だった。凶器はだいたいが大理石の灰皿】

なるほど。凝った仕掛けと心理的なリアリティのバランスを取るのはやっぱり難しいんだな。自分が引用した文の【】内は2003年12月「正和さんは10年来の同志」の引用文なので孫引き。