主人公の攻撃性弱め
2つ下の記事の「光の攻撃性弱め」についての詳細。主に「一泡吹かせるんじゃなかったのか?」のあたり。主人公の好感に関わるし、長くなるからブログには書かない。ニュアンスの違う部分はたくさんあるけど主要な部分だけ。
前提部分
第6話で光の言った「いや… 檻がなくなれば逃げる分豚たちの方がマシか」に対する村長の返答。
日本語訳「黙れ小僧!(中略)そもそも今まで大屍仙さまから逃げおおせた生贄はただの一人もおらん(後略)」
中文版「住口!(中略)更何况上尸大人神通广大,供养他的村子有三个,这一年来就没听说哪个人能活着逃离的!(後略)」
直訳「黙れ!(中略)まして大屍仙さまの神通力は広大だ。お祀りしている3つの村で、この一年生きて逃げられた人間なぞ聞いたこともない!(後略)」
第8話の部分
日本語版だと
①白小小の回想と白大の記憶
白小小の父親「逃げ場なんてないんだよ 隣村で逃げたやつがいたが結局捕まって一家全員殺されたって 大屍仙さまから逃げるなんて不可能だ」
②白小小が三眼に自害を頼む。
③白小小が村人を殺し始め、光と黄二果に止められる。
④黄二果が光に護符を渡し白小小を止めてくれるよう頼む。
黄二果「一泡吹かせるんじゃなかったのか?」
⑤媚びへつらって来た村長を光が殴る。
⑥光は白小小を一応止めようとする。
光→白小小「それよりも今は… 小小姉… 確かにこいつらは下衆な卑怯者たちだけど… 皆殺しなんてよくない……」
⑦光は本当は村人を助けたくない。
光(俺だって本当は)
「君にそんなことしてほしくない……」
(こいつら全員この世から消したいほど頭にきてる)
(俺だってそう思っているじゃないか そんな俺に彼女を止める資格はあるのか? こんな奴らのために彼女と戦う意味って…)
中文版だと
①白小小の父親「逃不掉的,隔壁村就有一个想逃之人,自己没逃成,还把全家都害死了。上尸的神通,躲不过的。」
「逃げられない。隣村では一人が逃げようとしたら、自分は逃げ切れず、さらに一家全員が殺された。大屍仙さまの神通力からは隠れられない」
④黄二果「你之前的大话可别是吹牛」
「お前が前に叩いた大口はホラ話じゃないよな」
⑥光→村人「只是现在… 以人的立场,你们当中的大多数人… 还不该死。」
「ただ今は… 人としての立場から言えば、お前らの大多数は… それでも死ぬべきじゃない」
⑦光(我,)
「不能让你这么做。」
(也愤怒到想让这帮人从世上消失啊)
(我换做是她,也一定是想杀光他们。我有资格站在这里吗?该怎么做?真的值得为了这帮畜生跟她作战吗?)
(俺も)
「君にそんなことはさせられない」
(こいつらをこの世から消したいほど怒ってる)
(俺が彼女だったら、絶対にこいつらを皆殺しにしたい。俺にここに立つ資格はあるのか?どうすればいい?この畜生たちのために彼女と戦う価値は本当にあるのか?)
中文版に沿って内容を考えると
①の部分は白小小の父親が知っていた話で、たぶん村人もみんなそう考えていた。第6話の村長のセリフを見る限りだと村長もそう考えていた(村長が主犯なら三眼と交渉できる可能性は一応あったのかも?)。三眼は西暦525年でも村から出た白大を傀儡で追い続けていたし(屍疫で隠れて村人を吸収していたから白大の出発に気付くのが遅れた?)、おそらく村から逃げようとした人間は生贄に限らず殺される。そうでなければ、生贄になれと言われた時点で白家の三人で村から脱出する選択肢もあったはず。三眼は(自己申告によれば)白小小が白大の子孫とは知らなかったり、なんだかんだ現在の村の様子を詳しく知っているわけではない。もし生贄以外は村から脱出できるのなら、生贄だと三眼に気づかれる前に逃げれば、白家の人間も逃げられたことになる。
④の部分では、中文版でも日本語版と同じく、第4話で護符の枚数について語った場面を光に思い出させようとしている。
日本語版の第4話で光はそよ風くらいの威圧の護符を自分が台風くらいにすると言い、「法屍者に一泡吹かせてやる」と断言した。
中文版では「把那畜生挠出血来。」「その畜生に痛い目見せてやる」。
現時点で黄二果は村人にドン引きしたものの、基本的に助けようとしている。光が法屍者を倒す気満々で村人を救おうと思った場面について、黄二果がここで言及したのは、その時の気持ちを思い出させようとしたのかもしれない。
しかし光は村についてから村人のことを畜生だと言い続けている。⑥のように大部分は死ぬべきじゃないと頭では考えられる一方で、⑦のように村人をこの世から消したい、村人は畜生だと感じている。
光が痛い目を見せたい畜生が、第4話での法屍者から第8話では村人に入れ替わってしまっている。