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シンプルな結論

屍者の13月の第8話のセリフにごちゃごちゃ書いていたけど、読み直したら結論はシンプルだった。自分の中文版の確認不足による誤読だ。中文版では第7話で三眼が白小小に復讐を促す時にちゃんと両親の仇は自分だと明言していた。

「想要消灭咱为爹娘报仇吗?想要为自己祖先所受的不公,为自己家这一世受的不公报仇吗?」
《日月同错》第七回 千年债偿 上-在线漫画-腾讯动漫官方网站

(オレを消滅させて両親の仇を討ちたいか?自分の祖先が受けた不公平や、自分の家がこの世で受けた不公平の復讐をしたいか?)*1
白小小は三眼と運命の誘導に素直に従った結果破滅してしまったという流れだ。
日本語の第7話ではまず「白小小 お前の両親がオレに殺されたのは不幸な事故だ」と言って次のページで白小小が目を見開いている。だから白小小は真実を知って衝撃を受けているように見せておいて、実は三眼の無責任発言に絶句しているのかと思ってしまった。自分の両親を殺しておいて、いけしゃあしゃあと事故だという奴がいたら殺意を覚える。でも中文版では「而你爹娘死于咱手,便是后果了,」(そしてお前の両親がオレの手で死んだのは、まさに不幸な余波だ。)となるから責任逃れの印象はなくて、白小小は残酷な因果の巡り合わせに衝撃を受けたように見える。
日本語版だと責任逃れの印象があるから「祖先の名誉を回復したいか? 死んだ両親の敵を取りたいか? 今まで受けた理不尽の仕返しをしたくないか?」も自分のことを棚上げして村人だけを責めているように感じた。
だから次回の第8話で三眼が実は白小小に自害を命じられることを望んでいると解釈すると、自害を命じられるためにわざと無責任な態度を取ったというロマンチックな想定をしなければいけなくなる。それが嫌だった。あの場当たり的な三眼がそこまで複雑なことを考慮していることにも、その割に白小小の今後をまるで考えていないことにも、白小小がそのナルシシスティックな思惑にただ乗せられてしまったとことにも違和感があった。
でも中文版だと、白大はオレの恩人なのに子孫に借りを作ってしまった、白大の子孫であるお前は両親の敵であるオレを殺したくはないかとストレートに聞いているから納得できる。名前を確認した時以外は三眼が白小小のことを白大的后人(白大の子孫)としか呼ばないのも個人的に重要なポイント。
三眼は木くらいには白家のことを考えていたと思う。結果として白小小は破滅したけど。

*1:咱は単数の一人称だけでなく複数の一人称にも用いることがあるが、三眼は咱を単数の一人称として使う。本作では咱から派生した複数の一人称には咱们を使う。