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色々な雑記。

前書いたことのおさらい。

第8話の日本語版で三眼が独白した「両親の敵を取れよ」はまるで両親の敵である村人を殺せというニュアンスのように受け取れてしまうけど、中文版はそういうニュアンスではない。

まず前提となる第7話の台詞が違う。

日本語版

「祖先の名誉を回復したいか? 死んだ両親の敵を取りたいか? 今まで受けた理不尽の仕返しをしたくないか?」

「想要消灭咱为爹娘报仇吗? 想要为自己祖先所受的不公, 为自己家这一世受的不公报仇吗?」

《日月同错》第七回 千年债偿 上-在线漫画-腾讯动漫官方网站

(両親の敵を討つためオレを消滅させたいか? 自分の祖先が受けた不公正や、 自分の家が今生で受けた不公正の復讐をしたいか?)

つまり第8話中文版で三眼の独白した「为爹娘报仇!(両親の敵を討て!)」は、両親の敵である自分を殺せというのが直接的な意味。なおかつ、自分を殺して借元真目の操作権を手に入れ、村人に不公正の復讐をしろとも考えている。

この不公正とは、人間誰もが他人を犠牲にしてでも自分の家族を守りたいと考えているのに、白家だけが犠牲を押し付けられてしまったこと。白小小も村を守るために高皓光たちを犠牲にしようとしたことはある。三眼が村人全員を人質にして生贄を要求した、祖先が村人に借りのある白家はその借りを返すため生贄になるべき、というデマを信じていた頃の白小小は自分たちが生贄になることを諦めていた。しかし、自分の家族の安全のために村長たちが三眼へ生贄の提供を持ちかけた、千年前に勘違いから先に手を出してきたのは村人の方だった、という事実が発覚して、今まで無理に気持ちを押し込めていた白小小の気持ちは爆発してしまった。

高皓光はそもそも生贄を押し付け合うしかない世界は間違ってるから世界を理不尽な犠牲が出ないように変えたいと思っている。そのためには誰でも使える力である科学が重要だと思っている。屍者が人間を食べるのは天経地義だと考えている三眼とは正反対の思想。

また、千年前の真実が明らかになる前から、白小小が罪人の子孫だからと差別されるのはおかしいと考えていた。良くも悪くも千年前の因縁を重視する三眼とは正反対の思想。

このエピソードでの高皓光は、思想の方向性は正しくても、独善的に振る舞った上に交渉力も意志の力も足りず、すべてを破滅させてしまった主人公として描かれている。