メモ帳用ブログ

色々な雑記。

フィクションの価値観は作品ごとに違うのが当たり前だけど、うまくそれが提示できないとどう読んでいいのかわかりにくい。たとえば家族を守るために他人を犠牲にするのが許されるのかどうか、運命は受け入れるべきか抗うべきか、その他無数に問題と答えは存在する。作品の中にも答えは無数にあってもいいけど、その場合この作品は多様性を大事にする作品だという答えを強く打ち出す必要が出る。作品ごとのスタンスは主人公が体現してるとわかりやすい。
HUNTER×HUNTERの主人公のゴンは少し怖いくらい無色透明で頑固で純粋だ。作中ではフローレス・ダイヤモンドに喩えられる。殺人鬼であっても自分が面白そうだと思った相手とは平気で仲良くなろうとする。鬼滅の刃の主人公炭治郎は正義感が強く、悪事を決して許さない反面、悪事を働いた相手の過去には同情を寄せる優しさがある。北斗の拳の主人公ケンシロウは乱世で自分の道を貫く流れ者だ。弱きを助け強きをくじく。クールなようで愛を非常に大切にする。
もしくは悩やみながらスタンスを固めようとしている主人公にうまく共感できれば、悩むストレスも楽しみやすい。ただしストレスや苦難の過程は後のカタルシスを期待しながら楽しむものなので、カタルシスが期待はずれに終わると、反動で不満が爆発してしまう。また最初から出来のいいカタルシスが期待できそうにない場合は、ちょっとしたストレスでも見放されやすい。
自分は変に空論の正義を振りかざすキャラよりは、マグメルのヨウみたいな、まず自分の家族を守る、次に依頼人を守る、余裕があればその他の人を守る、結果的に世界を救う(らしい)から一応は正義の側になるけど本人はあくまで身内優先、みたいな優先順位のはっきりしているキャラが好きだ。ただどんな価値観でも言ったこと、やったことに見合う結果が出せるキャラならそれでいいと思う。歯の浮くような理想論ばかり言うキャラでも説得力のある活躍ができるなら面白いキャラだし。