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色々な雑記。

白小小の「これでお終いにしましょう」という言葉の重みについて考える。
この言葉の直前、白小小は家の外に出ていた村の大人たちを皆殺しにして「終わったよ…」と笑っていた。しかし大人たちが1つの建物に隠していた子どもたちが飛び出してきて、阿毛が瀕死の母にすがりつつ、すぐ前に横たわる父の死体を見て「父ちゃん! 母ちゃん! 母ちゃん 父ちゃんが…」と叫ぶ声を聞いて我に返った。
もし本当に村人と白家の因縁が決着したのだったら「これでお終いにしましょう」と言うまでもない。生き残った村の子どもたちと白小小の因縁の決着をどうつけるのかというのがこの場の焦点になっていた。
三眼から授けられた力を依然保っていた白小小は村の子どもたちを即座に殺すこともできたはずだった。しかしそれまでの因縁を知らず、建物の中にいたため外の話も聞こえていなかっただろう子どもたちを白小小は殺すことができなかった。白小小は両親の仇である三眼を討って村人に復讐する力を得た。しかし今まで自分と仲良くしていた子どもたちが両親の仇として自分を殺そうとした時には、その力を使うことはできなかった。
白小小は復讐の連鎖を自分の死によって止めることを選んだ。かつての白家に不名誉な伝承が残ったのも、歪められたかたちとはいえ、家族を三眼の化け物に殺された悲しみを語り継いだ村人がいたからだ。