メモ帳用ブログ

色々な雑記。

二次情報(他人から教えられた情報)を信じることは人間の能力だ。この能力がなければ文化も文明も科学も生まれない。しかし二次情報には嘘が混じっていることがある。嘘をつくことや嘘をつかせることは罪になる場合があるが、嘘を信じることはそれ自体は罪にならない。罪になるとしたら、それを信じて罪になる行為に走ってしまった場合だけだ。
日月同错の黒山村編では、白小小を含む村人たちは皆千年以上前の事件に関するデマの伝承を信じていた。それ自体には特に罪はない。デマが生まれた経緯についても白家を事実以上に貶めようという悪意があったようには思えないが、デマはデマだ。事実が正しく記録されなかったことの責任が当時の村人たちになかったとはいえない。それでも清代の村人たちの罪は白家にだけ生贄を押し付けた点にしかない。逆に言えば伝承が信実だったとしても白家に生贄を押し付けたことは罪だ。
祖先の罪と子孫の罪を分けて考えられる黄二果と高皓光は頭ではそう考えた。しかし高皓光は子どもらしい正義感が災いし、村人に強い反感を持ちすぎてしまった。