メモ帳用ブログ

色々な雑記。

黒山村編はマグメルのエポナの涙編やティトールの過去との共通点が多い。というかその逆張りが多い。
エポナの涙編では、悪党は家族も大勢の仲間も自分一人のためだけに犠牲にした。悪党をヨウが殺害したことは驚いたが、ダークヒーロー的な主人公だと思えばそこまで突飛な判断でもない。クリクスは父母兄のようにマグメルに行くことを望んでいたが、体が弱く、なかなか叶わなかった。兄救出のためにマグメルに行き、兄は助けるというヨウの嘘(でもない)を信じて安心する。真実を知らないままだったが、両親と再会できたと感じながら亡くなった。
ティトールは弱小種族で数千年ぶりに生まれた構造者だった。自由に遊びたかったが、父親たち周りの大人の期待に応えなくてはいけなくなり、窮屈さを感じていた。傀儡化の能力で里の外を見るうちに当時の原皇と出会う。仲良くなるうちに、父親たちが他種族に従属させられている現状を嫌い、ティトールを他種族と戦う強い戦士にするため、原皇軍の偽の悪事をティトールに吹き込んだことを喋ってしまう。原皇は原皇として反抗を企てる里を全滅させざるを得なくなった。父親はティトールを生き残らせるためにティトールの手で自分を殺させる。ティトールは原皇に娘のように扱われ出世したが、原皇を裏切って復讐を果たす。そして次の原皇となる。
先代原皇は乱世を治め統一国家を作ろうとする者として当然の判断をした。ティトールの父親も先代原皇も、自分の共同体だけでなくティトールのことを愛していた。状況なりにできる限りのことはしようとしていた。ティトールの子供の頃の迂闊さも、友であり育ての親である相手に復讐したことも、ごく自然な感情の発露だ。ヨウもそんなティトールの嘘を察しながらも、ある種の共犯者としてあえて追及することは避けた。