メモ帳用ブログ

色々な雑記。

「绑」の対象が人間である場合、「人間を(後ろ手に)縛る」という意味と、そこから派生した「人間を拉致する・連れ去る」という意味がある。「小姑娘,把这两位活着绑给咱(小娘、その2人を生きたまま捕縛してオレによこせ。)」と命令されたものの白小小は縄のたぐいを持っていなかった。「绑」の意味がどちらにせよ、その場から移動する必要があった。2人を脅迫しながら黒山村を目指す。
黒山村で3人は縛られ、高皓光と村長が口論になる。高皓光は白家に生贄を押し付けた村人たちをなじるが、村長はあくまで3人を生贄にしようとする。高皓光の「为自己软弱和下作找借口罢了!(自分の弱さと下品さの言い訳をしているだけだ!)」という言葉を聞いて白小小が表情を変え、落涙する。それを見た高皓光は生贄にされることの心配はいらないと言う。


白小小の独白
(中文版)
「不是担心…

是难辞其咎,
明明是小女子把你们卷进来的…
为什么会想要帮助这样的人,
这一年来爹娘相继离世后,
第一次有人站在自己这边…
真的真的对不起,
真的真的谢谢你。」
(直訳)
「心配だからじゃないの…

言い逃れできないから。
間違いなく私があなたたちを巻き込んだのに…
どうしてそんな人間を助けようと思えるの。
この一年来両親が相次いでこの世を去ってから、
初めて味方になってくれた人…
本当に本当にごめんなさい、
本当に本当にありがとう。」


黒山村へ向かう道中での黄二果との会話からしても、白小小が2人を三眼に差し出そうとしていたことは明らかだ。だが白小小は村人全員の命を人質に脅迫されていた。逆らえなかったのは普通の人間として仕方がない。そしてそんな白小小を高皓光と黄二果はかばった。白小小は申し訳なさと感謝に耐えきれず落涙した。
高皓光は最初村長が白小小を殴ったことに怒っていたが、口論するうちに話がずれてしまう。村人を檻から出ず飼い主のために命を捧げる家畜と非難する。家畜なのは仲間を売ったからでなく、自分を食い物にする相手の支配を受け入れているからという考えのようだ。ならば家畜の食い物に白家は家畜の家畜ということになる。とりわけ白小小の父親は逃げ場もなく借りを返すことを最初に受け入れてしまった。高皓光がこれを白小小の隣で他意なく言ってしまうのはストーリー的に意図された未熟さだろう。かばおうとしている白小小まで傷つけかねないことを言わないという配慮はできないし、白小小が泣いた本当の理由も察せない。一方で、白小小が自分はともかく自分の両親の決断すら貶めた高皓光の言葉をどう受け取ったのかは推測しきれない部分がある。少なくとも自分が弱くて下品であることは言い逃れできないと感じたようだが。
また、同じく意図された高皓光の未熟さでいうと、白小小には手を差し伸べられた反面、村人に対しては頑なになってしまったのもまずかった。