メモ帳用ブログ

色々な雑記。

中国といえば、中国の小説を読んでいるとちょっとした文化の違いに驚くことが結構ある。『秘曲 笑傲江湖』を読んでいた時、口論する婚約者同士の男が女に、君も僕の名字を名乗るんだし、みたいな説得の仕方をしていてびっくりした記憶がある。中国といえば夫婦別姓の国だと思っていたからだ。でも調べてみたところ、中国でも族譜や書類ならともかく、日常では妻が夫の姓を名乗ることは少なくないようだ。今はそうでもないが昔はより多かったという。『秘曲 笑傲江湖』の寧中則も、岳不群の妻であるため岳夫人と名乗る場面が多い。伝統的な中国語だと、「~夫人」の~に入るのは夫の姓だ。満州族風に「~夫人」でなく「~太太」という場合も~に入るのは夫の姓だ。「~奶奶」(主に父方の「~おばあちゃん」)や「~嫂」(兄嫁の意から転じて「~姐さん」)と呼ぶ場合も同様だ。また、一昔前まで嫁いだ女は実家の祖霊祭祀には参加できず、婚家の祖霊祭祀にしか参加できなかった。儒教社会では妻はあくまで夫の家に入るものだった。