メモ帳用ブログ

色々な雑記。

鶴見が誘拐の首謀者だと知って鯉登が喜んだことは、月島からしても演技には見えなかったに違いない。もし演技だったら、月島は谷垣とインカラマッを追う前に鯉登の逃亡防止の手段を講じる必要があったからだ。手っ取り早いのは射殺だろう。この時点の月島は、鯉登を殺したくない思いはあっても、まだ鶴見に従うしかないという強迫観念のほうが強い。月島は安心して置いてきたはずの鯉登が自分を追っていたのに気付いて驚いただろう。しかもその後谷垣たちを殺さないように説得されてしまう。
出産が一段落付いた後、月島は「鯉登少尉殿… あれは本心だったのですか? それともあの場を誤魔化そうとしたのですか?」と聞き、鯉登は「どちらとでも好きにとれ」と答えた。月島からすれば待機するわけでも自分を助けるわけでもなく、逃げるわけでもなく、自分を止めようとした鯉登の真意は測りかねたのだろう。あの時に鶴見を讃えた鯉登の言葉は嘘ではなかった。だが同時に芽生えた別の気持ちと向き合うことから逃げてしまっていた。追い詰められている月島を助けたいという気持ちと、自分たちは正しい道を進みたいという気持ちだ。