メモ帳用ブログ

色々な雑記。

ウイルクは罪悪感を持たないキャラなのか、罪悪感を乗り越えられるキャラなのか。作中の描写を見る限りだと、少なくともアシㇼパが生まれた後は後者だ。
ウイルクなりの罪悪感は殺された7人のアイヌの遺留品の処理に表れている。第70話で尾形がアイヌには葬式で副葬品に傷をつける風習があり、遺留品には新しい傷がつけてあったことに言及し、「遺体を残虐にもバラバラにしておきながら 丁寧に全員の所持品に傷をつける行為には どこか懺悔のような物を感じる」と発言した。実際にはウイルクが7人を殺したのではなく7人は仲間割れで殺し合ったのだが、原因の一端がウイルクにあったのは間違いない。遺体を細工したのは逃亡とアシㇼパに迷惑をかけないためとはいえ、罪悪感は生まれただろう。
また、完全に邪推になるが、ウイルクの人間性を推測できる別の描写もある。自分は以前に人民の意志No.2でオオカミのウイルクと壬生狼の副長の土方には共通点が多いのではないかと書いた。その土方と永倉新八が江戸で喧嘩別れした理由は、この作品では、「アンタ達(近藤と土方)」が永倉を死地に連れて行くまいとあえて怒らせたためだと第86話で明かされている。土方は言葉ではこれを否定したが、柔らかい表情がその否定が嘘であることを物語っている。この喧嘩別れの理由はウイルクとユルバルスの喧嘩別れの理由にもそのまま当てはまる可能性がある。