メモ帳用ブログ

色々な雑記。

尾形からしたら、アシㇼパが自分を殺すつもりで射たというのは、勇作が自分を銃で介錯してくれる幻覚を見るために必要なことだったんだろう。

勇作は尾形の見た幻覚の中でさえ尾形を愛し労わるような高潔な人間だった。でも尾形からすると、せめて幻覚というかたちであれ勇作に自分を殺させてあげたいという無意識の罪悪感があったのかもしれない。だが勇作の面影が重なるアシㇼパが何があっても人を殺せないなら、幻覚の中の勇作も何があっても人を殺せない。ガッカリさせたいという思いだけでなく無意識の罪悪感も影響してアシㇼパが殺人を犯す、特に自分を殺すように仕向けようとした可能性がある。幻覚の中の勇作は最後に尾形を愛し労ったからからこそ尾形を銃で介錯した。

尾形の死因は家族を殺害する際にやったことがそのまま返ってくる形になっている。

母に対してした毒殺、愛しているがゆえの殺人、親の愛の存在を証明する殺人。父に対してした割腹。弟に対してした銃殺。