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鯉登は月島に、鶴見は教会で自分たちに気が付かないふりをして鶴見劇場をやっていた、と言うだけで月島を鶴見から引き離すことができた。かつていご草ちゃんの時にそういう感じの経緯で鶴見の愛を信じられなくなったことは朧気ながら聞き及んでいる。だがそれをしなかった。その時に月島がどれだけ傷つき今も引きずっているのかを理解しているからだ。だから鯉登は月島を死なせないように自分の下に留めおく時も、精神の呪縛された月島の体を抑えて引き止め、鶴見に月島を解放してくれるように頼んだ。自分の気付いた真実は月島に告発しなかった。