メモ帳用ブログ

色々な雑記。

アシㇼパは日本政府とコネクションがないので土地の権利書だけ手に入れても効力を発揮できない。ウイルクは土方が本物かつアイヌのために動いてくれる人間なら榎本武揚との繋ぎになってくれると考えていた。監獄での会話から期待通りの人物だとほぼ確信していたが、一応はアシㇼパに自分の目で信頼できる人間か見極めてもらいたいと思って、金塊の隠し場所は直接教えなかった。
一方土方の側からしても、土地の権利書を手に入れた後はその使い道を確定させるためにアシㇼパの覚悟を確かめたいという思いはあったはずだ。アシㇼパはあの時五稜郭から逃げなかった。もし逃げていたらいくら杉元は認めても、土方は兼定を託さなかったかもしれない。あの兼定は「権利書と金塊は和人とアイヌも救われるように」という願いとともに手渡されたものだったからだ。兼定がなければ土地の権利書だけを持っていてもアシㇼパは政府との交渉の座につけなかったかもしれない。
ぶっちゃけ砂金の一掴みでも送りつければ兼定がなくても榎本は面会してくれたと思うけどロマンがなさすぎる結末だ。もし万一土方とアシㇼパが共闘できない場合でも、金塊があれば強引に権利書の効力を発揮させる方法はあるとウイルクは考えていたと思うけど。